Live  Report  2011/03/13



会場名
新橋 ライブバー ZZ
イベント名


演目 1.
She caught the Katy

2.
Everybody needs somebody to love

3.
Knock on wood


4.
<MC>

5.
Shake your tailfeather


6.
Gimme some lovin'


7.
<MC>


8.
JB Medley


9.
Funky good time


10.
<MC>


11.
My girl


12.
<MC>


13.
Messin' with the kid


14.
<MC>


15.
I don't want to discuss it


16.
<MC>


17.
Tighten up


18.
Going back to MIAMI


19.
It's too funky in here


20.
Soul man


21. I can't turn you loose


encore
Hold on, I'm comin'




Report


ライブの2日前である2011年3月11日に起こった東日 本大震災。
マグニチュード9.0という前代未聞のスケールで東北地方を襲った地震は、その後の津波によって太平洋沿岸部のたくさんの町 が壊滅状態になりました。
我々バンドメンバーが住む東京近郊でも多大な影響が出て、交通がマヒし、帰宅難民が続出しました。
かくいう私は当日品川にある某社ビル内の16階で勤務してたのですが、突然ドンと感じた揺れに呆然とし机の下にもぐることす らできず、その後続く余震(耐 震構造のためずっと揺れ続けている)に気持ちが悪くなりました。
見下ろすと目の前にある下水道局の水面が波打ち、レインボーブリッジが大きく揺れ、お台場のテレコムセンター付近のビルが黒 煙を上げていました。
すぐさまフロア内の各所にあるテレビが点けられ、そこに映し出される今まで見たことのないスペクタクル映画のような映 像...それがたった今現実に起こっ ていることであると受け入れるのに時間がかかりました。
携帯は瞬く間に繋がらなくなり、家族の安否確認に大変苦労しました。

少し落ち着いたころ、たまっていた受信メールが携帯にドドッと着信し、バンドメンバーの安否が少しずつ判明してきました。
仕事中のMaman「帰って食器棚がこわい」「忘れてた。積んであったCDどうすんだろ。」
名古屋出張中のPapan「仕事は順調に予定通りの方向に収めましたが、まさか別の事態で帰れなくなるとは...(T- T)」
仕事中のTadachin「5階と6階はロッカーも軒並み倒れているらしい。」「横浜方面に電話がつながらない... まだ(家族の)安否不明です。」
既に帰宅のKussy「こちらは車なので帰れました。家の方はいろいろ落ちてましたが、プラズマは大丈夫でした。」
仕事中のUspy「今回は漫喫ではなく会社に泊まりです。」
ご隠居なKCさん「車検の為にディーラーに車をあずけて京急で横浜に戻った直後にグラグラきたので問題無かった」
そしてPapan「とりあえず、のぞみが動いたので、東京に向かってます。新横まで行ってPee(KC専属カメラマン)に 送ってもらう予定。」
Papanは名古屋駅でのぞみに乗る時に、TVのインタビューを受けたようです。
Mercy「昼休み前くらいから激しい腹痛と下痢に襲われたので、午後半休を出して、会社を出た直後に、いきなり眩暈…あ あ、マズイ、思ったより体調が悪 いんだなあ…と思ったら、地震でした( ̄◇ ̄;)」
Hitme「無事にお泊まり@食堂。5階フロアはグチャグチャで危険過ぎて居れません。」
Kyon2「私も帰れず保育園にお泊まりです。」

といったメールで、メンバー全員の安否は確認できました。
かくいう私Akkeyは、職場で備蓄用缶入りパンと水を支給され、葛飾まで歩いて帰ろうか迷っていた矢先に一部の地下鉄が動 き出したとの情報を得て、23 時過ぎに同僚数名と職場を脱出。
行程の半分を歩き、半分は地下鉄を乗り継いで4時間半かけて家に辿り着きました。

日曜日は新橋ZZでライブだけど、できるの?という疑問を受けて、PapanがZZオーナーのダディさんに問い合わせたとこ ろ、
「通常です。」
という返事が...(笑)
そんなこんなで、予定通りライブは実施されたのでした。
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さて、ライブ当日。
余震が続いたり、福島原発がとんでもないことになってたり、電車の運行状況が不安定だったりとまだまだ不安ありありな状況 で、家族から「ほんとに行く の〜!?」と後ろ髪を引かれるメンバーもいたりと、いつになく会場に向かう足取りが重かったりもしましたが、ライブはライ ブ。皆新橋に集結です。
そんな中、来てくれる予定のお客さんから続々とNG連絡が... やはりお客さんはゼロなんでしょうか!?

Papan&Mamanは会場に向かう途中、烏森神社でライブの無事を祈願するという気の入れよう。

 

 

その一方、Mercyは新橋界隈のコンビニでウロウロ。なんでも妹さん夫婦に頼まれたカセットボンベを探していたとのこと。
わたくしAkkeyがZZのドアを開けた時は、ボーンさんが独りPA卓の前に座ってました。

   
  

カウンター越しにずらり並んでいる酒類が全滅してないかと心配しましたが、ZZは全く被災しなかったとのこと。
ただし前日の土曜日は1バンドがZZにたどり着けず、原発が爆発した影響(?)で残りの2バンドも即行で片づけて店を18時 に閉めたとのことでした。

   

     

今日も3バンドが出演する予定でしたが、1バンドがキャンセルしたようです。ってことは、3バンド目の出番だった我がバンド は2バンド目に繰り上げ?
そんな話しをしている中、続々とメンバーが到着。改めてメンバーの無事を確認し合いました。

     

   

KCさんは関東大震災を経験しているでしょ?ってな話しに発展すると、すかさずボーンさんが「いや、空襲を経験してんじゃな いの?」とジョーク(笑)。
和気あいあいとした談笑に交じって、宮城や福島にご両親やご兄弟・ご親戚が住んでいるというメンバーの話しも飛び出し、悲惨 な現実に皆驚愕しました。

   

   

ボーンさんは着々とステージセッティングを進め、ある程度整ったところで各メンバーが定位置へ。各自機材のセッティングを終 え、リハーサル開始。
Tadachinは、娘さんがインフルエンザにかかってしまい、元々入っていた奥さんの用事が終了次第バトンタッチで参加す るため、リハは欠席。

   

   

リハ1曲目は定番の"Funky in here"。曲が終わって、ボーンさんからこちらも定番の「ベースの音がでかい」。スピーカーが上下2つあるベースアンプの 下側を抜くことで解決しまし た。
2曲目は"Going back to Miami"。バランスは、なかなかいい感じです。でも、ボーンさんから「ギター2本とも気持ち下げて」の一言。
ここでギターバトルの始まり。両者どの程度下げるのか?いや、本当に下げるのか?案の定Mercyは一旦下げはしたものの、 すぐに戻しました(笑)。

   

   

その後数曲演奏してバランスを確認し、リハ終了。リハの途中で会場入りした対バンのFけいこさんへバトンタッチ。ピアノの弾 き語りのため、ドラムセットや アンプ類を後ろの壁まで下げました。

   

   

我々は一旦外へ出て腹ごしらえ。Kussyは買い物があるとのことで銀座へ向かいました。

   

   

新橋といえば魚金。いつ行っても満席で入ることができない店です。

   

   

でもこの日はいつもと様子が違いました。店内ガラガラで8人様でもすぐOK。埋まっていた予約は全てキャンセルとなったとの ことです。まあ、そりゃそうで しょうね(苦笑)。

   

   

怒られても懲りないリズム隊は「生」注文。おっと、今日はKC御大もHitmeもビールでテンションアップです。

   

   

活きのいい刺身盛り合わせ!しかもお手軽価格でこのボリューム!!皆至福のひとときを味わいました。

   

   

開演時間に間に合うようZZへ戻ると、カウンター越しにダディさんとバイトの女性(今はこの方が凄い人だと知る由も無い)が スタンバッてました。
さすがにお客さんには間違えられませんでした(ちょっと安心)。一方、本当のお客さんと言えば...
Fけいこさんの旦那様とKCバンドのお客さん1人の計2人(寂)。いやいや、こんな時に足を運んで下さったお客様に感謝で す!

   

   

そして滝汗Bros.な人々(Papan, Hitme and Akkey)はお店に貢献すべく、コロナビールを注文。
ステージ上で滝汗になったことは言うまでもありません(実はステージ上に置かれている扇風機が演奏上必須だったりします w)。

   

   

そしてダディさんとの会話をしばし楽しみました。
ダディさん曰く、「こういう時だからこそ自分たちができることをやらなきゃいけないんだよ。だから俺は通常通りに店を開け る。そして鎮魂歌(レクイエム) を歌うべきなんだよ。」
うーん、この言葉は心にズシンと響きました。
暫くして、Tadachinが到着。ダディさんは様子を伺いつつ「落ち着いたらこっち来てお金払って...」って出演者だっ て(爆笑)。
カウンターの女性は「キーボードとベーシストは(見た目が)一般人だからね」発言。後で分かったんですが、このお姉さん、プ ロのベーシストでした(驚)。

   

   

そしてトップバッターのFけいこさんのステージが始まりました。

   

ベッドミドラーが歌う映画の主題歌"Rose"で始まり、オリジナルの"最終バス"(泣けました)、そしてパーカッション担 当である実の息子さんが参加し ての数曲。
なかでも"まけるなチャーリー"(チャーリーとは自転車のこと)では会場にいる全員が一体となって印象的なリフレインを歌い ました。

   

ポプコン出身であるけいこさんの唄声はとても爽やかで、時には力強く、感動的でした。
新作CDの売上げは義援金にすると言っていたので、わたくしAkkeyは購入させて頂きました。今後のご活躍を応援します!

   

さて、我々KC & The TITEの出番です。おっと、そう言えば相変わらず店の前の黒板には"KC & TITE"って書かれてました。そろそろ "The" を入れて下さいね(笑)。

   

お客さんが増えることは到底期待できず、夜の交通事情がどうなるか読めないため、さっさと登場することに。
1曲目は"She caught the Katy"。Hitmeのルーズなギターカッティングから始まり、UspyとHitmeのソロが見どころ。
ダディさんがカウンターの中から外に出て、盛り上げてくれてます。



2曲目は"Everybody needs somebody to love"。3曲目は"Knock on wood"。ここまでノンストップです。
ここで演奏者は暫し休憩となるKCさんのMCタイム。お客さんが少ないせいか、いつもより口が回っているようです。ただし時 節柄MCで恒例となっている亡 くなったミュージシャンの話しはご法度...(苦笑)。



そして、"Shake your tailfeather","Gimme some lovin'"。いつもは走ってしまうのに今回はイイ感じ?皆リラックスして演奏できているようです。それもお客さんが少な いせい?
誰もついてこれない(笑)KCさんのMCを挟んで、"JB Medley","Funky good time"のJBコーナー。両ギタリストの役割分担も板に着き、いい感じのアンサンブルとなってます。



さて、ハイスピードで疾走してきたので、バラードの"My girl"でクールダウンしましょう。
おっとその前にPapanからの業務連絡。お客さんに「写真撮って」とカメラを手渡しました。オイオイ、ここでか!もはや何 でもあり状態(笑)。



さあ、折り返し地点を過ぎたところで次はブルースナンバー"Messin' with the kid"。なんかMercyがそわそわしてますがどうしたんでしょうか。
するといきなり、「じゃあ、いきます。ワン...」オイオイ、曲間違ってるよ〜(爆)。メンバー全員から突っ込みの嵐が巻き 起こりました。
終わるとダディさんが一言、「今日はなんか上手いな。客が少ないといいのかな。」おっしゃる通りでございます(笑)。でも、 ダディさんが盛り上げてくれた ので我々もテンション上がったんですよ。
客の多い少ないは関係なく、会場の雰囲気がとてもよかったので、我々もいい演奏が出来たんだと自負しております。



そしてMercyの出番。メンバーからのマーシーコールを受けて、Mercyのカウントで"I don't want to discuss it"。
MercyとHitmeによる尺の長いギターソロが売りのこの曲、男子によるコーラスも売り?なんですが、その場はノリノリ でも客観的に聴くと音程ずれて る人がいたり... まだまだ鍛錬が必要なようです(苦笑)。
KCさんのMC「年寄りだから他人が何言ってるか聞こえない」という自虐ネタに続いてPapanが「今年はバンド結成20周 年」とインフォメーション。 20年前のKCさんは40代でした...(笑)。
ずいぶん長くやってるね、ってことでKCさん「映画は1,000円で観られる」という発言に会場は大爆笑。
Kussyがすかさず「動物園はタダで入れるでしょ?」と突っ込みを入れると、「野毛山動物園は誰でもタダで入れるぜっ」っ てそういうことを言ってるん じゃないのに(笑)。



そんな爆笑MCの後は、いつも通りのフォーメーションで一気に最後まで駆け抜けます。
"Tighten Up"〜"Going back to Miami"〜"It's too funky in here"〜"Soul man"〜"I can't turn you loose"の5曲メドレー。
いやー、お疲れさまでしたっ!って思っていると、ダディさんから「しょーもない終わり方だなぁ」「エンディングが下手だな」 「(エンディングは)ジャカ ジャンで終わんないと」とダメ出しされ、大爆笑。
もう1曲やれってことで、用意していた"Hold on, I'm commin'"を演り、大団円となりました。

 

ひと通り片づけが終了したところで、ダディさんやお姉さんを交えて集合写真を撮り、お開きとなりました。

   

   

こんな日に、こんなライブができるとは、ミュージシャン冥利に尽きますね。一生忘れられないライブになりました。
店を開けてくれたダディさん、ボーンさん、お姉さん、そして足を運んでくれたお客さんに感謝感謝です。

   

   

ちなみに、既に次回のZZライブが6/18(土)に決定してます。今日とお客さんの数が変わらないじゃんと言われないよう に、集客しないと...(苦笑)
レポートは太鼓担当Akkeyでした。

   

(記:Akkey)



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